微熱とがんについて
日本人の死因の中でも上位を占めるのががんで、発症初期には自覚症状がなく、病状が進行していることに気付かないケースが多くなっております。
しかし、何となく身体の異常や変調によって病院を受診する方はおり、「朝起きるのがだるい」「微熱が続く」「食欲不振」の3つです。
普通に体調を崩した時にも引き起こされる症状なので、微熱や食欲がないという程度でがんを疑うのは少々難しいかもしれません。
同じような症状は風邪やインフルエンザでも生じますし、そんなことでがんを疑っていたらキリがないのです。
とは言え、この3つの症状がガンの共通のサインというのは紛れもない事実で、早期治療を行えば回復も比例して早くなるので、高齢者の方は少しでも体調に異変を感じた段階で、病院を受診して検査してもらう必要があります。
特定の症状があらわれても、がんだと見分けることは到底できないのですが、自覚症状があらわれた頃にはかなり進行していたというケースもあるので、40歳を過ぎたら慎重に自分の体調管理について考えるべきです。
2007年に実施された人口動態統計によると、1年間で33万人がガンで死亡しており、全死亡者の約3割を占めていることが分かりました。
つまり、3人に一人は何かしらのガンで亡くなっていることを指しており、「私は絶対に大丈夫」という保証はないのです。
そもそも、がんは私たちの体内で細胞が分裂する際にDNAに複製ミスが生じ、突然変異することで引き起こされ、時間が経過するとともに細胞分裂を繰り返して進行していきます。
変異細胞は私たちの身体の中で、1日に5,000個は作られているのですが、リンパ球といった免疫機能によって攻撃をして殺してくれるため、全てががん細胞に育つというわけではないのです。
それに、1cm未満のがん細胞を見つけるのは現代の医学では困難なのですが、1cmから2cmの大きさになるまでに1年から2年と非常に短いので、進行スピードは物凄く早いと説明できるでしょう。
「ただの微熱だから自然と治る」「食欲が低下しているのは風邪のせい」と思い込んでいると、がんの発見が遅れ、気付いた時には手の施しようがないという可能性もあるので、早期発見・早期治療をするためにも40歳を過ぎたら、病院を受診して定期健診や人間ドッグで検査を受けるべきです。
また、がんを絶対に防ぐような方法はありませんが、1日に30分間以上のウォーキングを行って身体を動かしたり、ストレスを溜め込まないようにしたりすれば、発症率を少しでも下げることはできます。
このような生活習慣の改善は、風邪や微熱の症状の予防にも繋がるので、一石二鳥というわけです。