微熱とパーキンソン病について
震えや固縮、姿勢障害といった症状が引き起こされるのがパーキンソン病の大きな特徴で、この病気を初めて発見したジェームズ・パーキンソンという医師の名前を取って名付けられました。
静止時振戦(せいしじしんせん)と呼ばれる震えが最も生じやすい症状で、40歳から50歳にかけて見られることが多く、若者には馴染みがないかもしれません。
パーキンソン病によって微熱が引き起こされるケースは少ないものの、治療薬の長期間に渡る投与で微熱や発熱を起こしやすいと考えられております。
長期抗パーキンソン病薬投与によって生じやすいのが悪性症候群で、微熱以外では以下のような症状が挙げられます。
・循環障害
・発汗
・流涎
・言語障害
・脱水症状
・意識障害
・呼吸障害
・動きの硬直
パーキンソン病の治療薬に限った話ではありませんが、内服薬には副作用があります。
風邪薬や頭痛薬といった市販の内服薬にも少なからず副作用はあり、用法や用量を間違っていると微熱を中心とする不快な症状で悩まされやすいのです。
量を増やせば副作用のリスクは当然のように高くなりますし、量を減らせば本来の効果を得られなくなるので、専門医の指示に従って処置を施した方が良いのは間違いありません。
パーキンソン病の治療は薬物療法が一般的で、ドーパミンを補うドパミン補充薬(L-ドパ)や、L-ドパの効果を高めるドパミン受容体刺激薬、アセチルコリンの作用を弱めるための抗コリン薬が処方されます。
どの治療薬も一定の効果が出るまでに長い期間がかかるという特徴があるため、自己判断で中止したり量を増やしたりという判断は危険です。
薬を使い続けるにしてもやめるにしても自己判断ではなく、かかりつけの医師に相談しましょう。
用法や用量を守ってパーキンソン病の治療を行っていれば、微熱のような不快な症状で悩まされることはないはずです。
また、パーキンソン病の治療は薬物療法だけではなく、体内でドパミンを生成する酵素の遺伝子を直接打ち込む遺伝子療法や、神経細胞の一部を破壊する手術療法、運動機能の低下を防ぐためのリハビリなどを併用する場合もあります。
セルフケアで改善できるような病気ではないため、正しい判断を下せる医師に従わなければならないのはお分かり頂けるのではないでしょうか。
基本的にパーキンソン病の治療は神経内科で行われますが、どの診療科を受診すれば分からない場合は総合病院や大学病院などを受診してみてください。