微熱と糖尿病について
日本に740万人の患者さんがいると考えられている糖尿病は、糖代謝に欠かせないインスリンを作る細胞が破壊され、体内で絶対的に足りなくなる1型糖尿病と、インスリンの分泌量自体が減少する2型糖尿病の2種類に大きく分けることができます。
他にも、妊娠を順調に進めるホルモンの影響でインスリンの働きが弱まり、糖尿病を患うという女性は意外と多く、微熱症状が続くという特徴があるのです。
ただ微熱が引き起こされているだけであれば、風邪による体調不良が大きな原因だと考えられます。
しかし、いつまで経っても微熱の症状が和らがなかったり、寝汗が大量に出たりという症状の方は糖尿病の可能性も十分にあり、年齢が高くなればなるほどそのリスクは上がるでしょう。
もちろん、糖尿病は高齢者特有の病気というわけではなく、現在では食生活の欧米化によって若者でも患うことは十分にあるので、「まだ私は糖尿病にかかる年齢ではない」と安心は絶対にできないのです。
もし、風邪による微熱ではなく、他の病気を患っているかもしれないという疑いがあるのならば、随時血糖検査や早朝空腹時血糖検査を病院で行ってもらう必要があります。
基本的に病院では血糖値の検査が行われており、正常時の血糖値と空腹時の血糖値、ブドウ糖を摂取した際の血糖値を測って、その数値に異常がないかどうか調べるのです。
検査によって得られる数値で、糖尿病かどうか判断する目安はあるので、不安な方は自宅で測って日本糖尿病学会のホームページを参照してみるのは一つの選択肢かもしれません。
自分は健康な身体を維持できていると考えていても、実は糖尿病を患っていたというケースは決して少なくないので、普段の自分の状態を良くチェックする必要があります。
微熱が一向に下がらないだけではなく、「喉が異常に渇く」「トイレに行く回数が多い」「体重減少が引き起こされる」という症状の方は要注意です。
医師から糖尿病と診断されたら、基本的に薬物療法が行われ、個人の症状に合わせて食後の血糖値の上昇を抑制するα−グルコシダーゼ阻害薬や、インスリンの分泌を高めるスルフォニル尿素薬が処方されます。
インスリンの働きが弱まっているという患者さんにはインスリン抵抗性改善薬が処方され、医師の指示に従って服用していくことで、症状を改善していくという流れです。
しかし、糖尿病は医薬品を服用していれば良いというわけではなく、摂取カロリーを減らすとともに栄養バランスを考えて食生活を送ったり、適度な運動でインスリンの働きを活性化させたりと、普段の生活習慣の改善も大事なので、詳しいアドバイスを医師から受けてください。