微熱とアルコールについて
風邪を引いて微熱があるのならば、できる限りアルコールの摂取は控えるべきで、これはほとんどの方が心得ているはずです。
微熱で具合が悪い時にお酒を飲まないといてもたってもいられないという状態は、アルコール依存症の可能性が高いですし、普通の方であれば身体が元気になってから飲もうと考えます。
以前は、悪寒が酷い時に卵酒を飲むと症状が回復すると言い伝えられており、卵には栄養があり体温を上げてくれるという民間療法の一つなのかもしれません。
しかし、基本的にはお酒の中に含まれているアルコールは、体力を消耗させるという特徴があり、微熱時に体内に生じている炎症を強めてしまうのです。
アルコールの摂取で微熱が悪化し、一気に具合が悪くなるということはなくても、回復が遅れたり風邪の治りが悪くなる可能性は十分にあります。
もし、微熱とともに鼻や喉が炎症を引き起こしているのであれば、お酒がその炎症を助長させる結果になるかもしれないので、症状が回復するまで我慢した方が良いということはお分かり頂けるはずです。
また、医師から処方される風邪薬にも、ドラッグストアで販売されている市販薬にも抗ヒスタミン剤が含まれていることが多く、アルコールと一緒になると薬の効果が弱まったり、それぞれの作用が強く出たりする場合があります。
効果が強まりすぎれば作用の弱い薬であったとしても危険ですし、副作用が引き起こされるリスクも増すので、お酒と医薬品を同時に摂取してはいけないのです。
以上のように、風邪を引いて微熱が出ている時に、絶対にお酒を避けなければならないというわけではありませんが、身体への影響を考えるのであればなるべく避けるようにしましょう。
とは言え、風邪の症状が回復して元気になったのであれば、嗜む程度にアルコールを摂取するべきですし、お酒は身体に良い影響を与えてくれます。
胃の動きを刺激して食欲増進を図ったり、血管を拡張させて血液の流れを良くしたりと、健康を促す作用があるのです。
他にも、アルコールを摂取すれば気分が良くなり、沈んだ気持ちも晴れてストレスの解消に繋がりますし、緊張が解れてコミュニケーションを円滑にしてくれるため、「酒は百薬の長」と言い伝えられているのは決して間違いではありません。
ただし、アルコールの過剰摂取によって肝臓やすい臓など、内臓にかかる負担はかなり大きなものになりますし、翌朝までアルコールが残り二日酔いになってしまっては生活の質の低下に繋がるので、程ほどに留めるようにしてください。