微熱と抗生物質について
細菌やウイルスが原因で発症する感染症は様々で、種類によって異なりますが、病院では抗生物質が処方されることが多く、正しい使い方で服用していれば治療に繋がります。
しかし、風邪が原因の微熱には抗生物質は効き目がないので、絶対に服用してはいけません。
抗生物質を万能薬だと思っている方は意外と多くいらっしゃるものの、風邪はウイルスによる上気道感染症で、抗生物質を服用しても症状の改善に繋がることはないのです。
それに、未然に感染症を防ぐ予防効果なども持ち合わせていないため、無闇に抗生物質を服用していると、様々な副作用で悩まされてしまいます。
そもそも、全てのウイルスに効き目がある抗生物質はこの世に存在しませんし、引き起こされている微熱が細菌による影響だとは限らず、生理的な現象の可能性もあるのです。
私たちの体温は常に上下しており、ふとした瞬間に微熱が出ることも、ストレスによって体温が上昇することもあります。
その度に抗生物質を服用していたら、身体が危険に晒されることは間違いないですし、副作用でもっと重い症状が引き起こされるかもしれないということはお分かり頂けるでしょう。
また、抗生物質だけではなく、麻酔剤や抗ヒスタミン剤の服用によって体温調節機能が一時的に妨げられ、微熱のような症状が引き起こされるケースもあります。
もし、抗生物質を服用して風邪のような症状が治ったとしても、それは薬による効能ではなく、自然経過なのです。
更に、現在では抗生物質が効かない抗生物質耐性菌が増えており、服用する量が多ければ多いほど、そのウイルスに感染しやすくなります。
このように、医薬品の使用を一歩間違えると、引き起こされている症状を改善するどころか、今よりももっと悪い状態へと誘われてしまうかもしれないので、危険な薬だということを認識しなければならないのです。
「抗生物質=何でも治せる万能な医薬品」という考えを持っている方は、耐性菌の出現や副作用、無駄な治療費といったリスクやデメリットを把握できていないので、十分に注意しなければなりません。
もちろん、呼吸器への感染や消化管への感染など、抗生物質を上手く服用して治さなければならない病気はあるので、全ては医師の指示に従って治療を受けていかなければならないのです。
基本的に抗生物質はドラッグストアでは販売されていないので、自分の判断で服用する機会は少ないかもしれませんが、微熱だけに悩まされているのであれば、普段の生活習慣を見直して改善していくようにしてください。